○飯南町自然環境保全条例
平成17年1月1日
条例第111号
(目的)
第1条 この条例は、本町における優れた自然環境を後世に伝えるとともに、町民の健康で快適な生活環境を確保することに加え、下流域への環境保全及び安心できる生活環境の確保を図るため、自然環境の保全に関する必要な事項を定め、住みよい郷土の実現に資することを目的とする。
(基本理念)
第2条 自然環境の保全は、人間の健康で文化的な生活に欠かすことのできないものであることを認識し、すべての町民が将来にわたり自然環境の保全及び動植物の保護に努めなければならない。
(用語の意義)
第3条 この条例において「自然環境」とは、日光、大気、水、大地及びこれらにはぐくまれた動植物を総合的にとらえたもので、人間の生存の基盤となる環境をいう。
(町の責務)
第4条 町は、第1条の目的達成のため、自然環境保全等に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施しなければならない。
2 町は、広報活動その他の活動を通じ、自然環境の保全の必要性について町民の理解を深めるとともに、その意識の高揚に努めなければならない。
3 町は、地域の開発及び整備その他の自然環境の保全に影響を及ぼすと認められる施策の策定及びその実施に当たっては自然環境の適正な保全に努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、その事業活動の実施に当たっては、自然環境が適正に保全されるよう必要な措置を講ずるとともに、この条例を達成するために行われる町の施策に協力しなければならない。
(町民の責務)
第6条 町民は、自然環境が適正に保全されるよう自ら努めるとともに、この条例の目的を達成するために行われる町の施策に協力しなければならない。
(町民意識の啓発)
第7条 町長は、町民に対して自然環境の保全等に関する知識の普及、高揚を図るとともに町民の自主的活動の助長に努めなければならない。
(国・県への要請)
第8条 町長は、この条例の目的実現のため必要と認めるときは、国又は県に対し必要な措置をとることを求めなければならない。
(財政上の措置)
第9条 町は、自然環境の保全等に資するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(飯南町自然環境保全審議会)
第10条 自然環境の保全に関する重要事項を調査審議するため、飯南町自然環境保全審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、委員10人以内で組織する。
3 委員は、識見を有する者、関係行政機関の職員及び本町の住民の内から町長が委嘱し、又は任命する。
4 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 審議会に会長を置き、委員の互選によってこれを選任する。
(保護地区・保護動植物の指定)
第11条 町長は、良好な自然環境を保全するために次の各号に掲げる区分及び態様により保護すべき地区並びに動植物を指定することができる。
(1) 自然緑地保護地区 山林等自然を残すために保護することが必要な地区
(2) 景観保護地区 景勝地等自然風物を残すために保護することが必要な地区
(3) 歴史環境保護地区 歴史的・文化的遺産として残すために保護することが必要な地区
(4) 動植物保護地区 野生動物の生息地(渡来地及び生息地を含む。)又は野生植物の生育地であって、それらの動植物の保護又は繁殖を図るために保護することが必要な地区
2 町長は、保全区域を指定しようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。
3 町長は、保護地区・保護動植物を指定しようとする場合において、その土地の所有者、占有者又は管理者があるときは、あらかじめその承認を得なければならない。
(保護地区・保護動植物の指定の告示)
第12条 町長は、前条の規定により保護地区・保護動植物を指定したときは、その旨及びその区域若しくは種目等を告示しなければならない。
(指定の解除及び区域の変更)
第13条 町長は、公益上の理由その他特別な理由があるときは、保護地区・保護動植物の指定を解除し、又は区域の変更をすることができる。
(保護地区内における行為の許可)
第14条 保護地区内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者はあらかじめ町長の許可を得なければならない。
(1) 建築物その他の工作物を新築し、改装又は増築すること。
(2) 宅地を造成し、土地を開墾し、又はその土地の形質を変更すること。
(3) 鉱物を掘削し、又は土砂を採取すること。
(4) 水面を埋め立て、又は干拓すること。
(5) 木竹を伐採すること。
(6) 広告物その他これに類するものを掲出し、又は設置すること。
(7) その他自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがあるとして町長があらかじめ指定した行為をすること。
2 通常の管理行為及び非常災害時の応急措置として行う行為については、前項の規定は適用しない。
(保護動植物に係る行為の制限)
第15条 何人も、保護動植物の採取捕獲、損傷をしてはならない。ただし、あらかじめ町長の許可を受けた場合はこの限りでない。
2 通常の管理行為及び非常災害時の応急措置として行う行為については、前項の規定は適用しない。
2 町長は、前項の規定により許可に付せられた条件に違反した行為をしている者に対しては、当該行為の停止又は原状回復等必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(指導又は勧告)
第17条 町長は、保護地区又は保護動植物の指定の目的を達成するために必要があると認めるときは、保護地区又は保護動植物の土地所有者等又は事業を行う者その他何人に対しても必要な指導又は勧告をすることができる。
2 町長は、前項に規定する指導又は勧告に従わない者に対し、当該行為の中止又は原状回復等必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(援助)
第18条 町長は、自然環境の保全又は回復のために必要があると認めるときは、技術的な援助をし、又は予算の範囲内において、補助金の交付等の財政的な援助をすることができる。
(土地の買取り)
第19条 町長は、保全区域を指定した場合において、必要があると認めるときは、予算の範囲内において、当該保全区域内に存する土地の所有者からその土地を買い取ることができる。
(立入り調査)
第20条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、職員をして保護地区内の土地に立入り当該土地若しくは当該土地にある物件又は当該地区内において行われている行為の状況の調査をさせることができる。
2 前項の職員は、その身分を証する証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年1月1日から施行する。