○特定法人貸付事業実施要綱

平成19年3月15日

告示第7号

(目的)

第1条 この告示は、農業経営基盤強化促進法((昭和55年法律第65号)以下「法」という。)の規定に基づき飯南町が実施する特定法人貸付事業(以下「本事業」という。)における特定法人への農地の貸付について、必要な事項を定めることにより、担い手等の不足により農地の相当部分が遊休化していくような地域において、特定法人が参入することにより農地の有効利用を図るとともに、効率的安定的な農業経営を育成することを目的とする。

(事業実施区域)

第2条 本事業の実施区域は、法に基づく飯南町基本構想に定める「要活用農地」が相当程度存在する区域に限ることとし、担い手確保に見通しが難しいなどにより、本事業を実施することが適当と認める区域とする。

(農用地の買い入れ又は借り受けの基準)

第3条 本事業を実施する際の農用地を買い入れ又は借り受ける基準は次に掲げるものとする。なお、買い入れ又は借り受けは、本事業の実施の見込みが確実になった時点で行うものとする。

(1) 本事業を通じて効率的かつ安定的な農業経営の育成に資するような農用地であること。

(2) 当該農用地の価格が、その土地の近傍類似の取引や生産条件等からみて適切であることと判断されること。

(3) 当該農用地の賃料が、農地法第23条の規定により農業委員会が定めている小作料の標準額(以下「標準小作料」という。)や生産条件等からみて適切であると判断されること。

(4) その他農業経営の基盤の強化に資すると見込まれるものに限ること。

(農用地の貸付相手方)

第4条 本事業の実施により飯南町が、農用地を貸し付けることができる者は、法第4条第4項に定める特定法人とし、その事業計画等からみて安定・継続して農業経営を行うことが見込まれ、かつ、飯南町基本構想の実現に寄与すると認められる特定法人とする。

(協定の締結)

第5条 本事業の実施にあたり、特定法人が行う農業の適性かつ円滑な実施を担保するため特定法人が行う農業の内容、水管理等における特定法人の役割、協定に違反した場合の措置等を内容とする次の事項を含む協定を締結するものとする。

(1) 地域農業における役割分担に関する事項として、特定法人が道路・水路・ため池等共同利用施設の維持管理に関し、地域の取り決めを遵守し、応分の役割を担うこと。

(2) 特定法人による協定の実施状況についての報告については、少なくとも毎年1回以上行うこと。

(3) 協定違反の場合に講ずるべき措置として、特定法人に対して違反状態を是正すべき旨の指導を十分に行ってもなお改善が見込まれない場合には、賃貸借又は使用貸借の解除を行うこと。

(4) 特定法人が破産手続きの開始の決定を受けた場合その他当該法人による耕作又は養畜の事業の継続が困難と認められる場合については、協定に違反する場合に該当すること。

2 本事業の適正な実施を図るため、特定法人からの報告及び実地調査等から協定に違反している又は違反するおそれがあると認めた場合には、特定法人に対して是正のために必要な措置をとるよう指導等を行うものとする。

3 前項の指導等の措置によっても、協定に違反し、その改善が見込まれないと認められる場合には、実施主体は法第27条の13第3項の規定により賃貸借又は使用貸借を解除するものとする。

(農用地の買い入れ)

第6条 本事業における農用地の買い入れは、飯南町基本構想の実現及び農業経営基盤の強化に資すると見込まれるものに限り行うものとする。

2 農用地を買い入れようとする場合には、これらの土地について実地調査等を行い、買い入れることを相当と認めたときは、これらの土地の所有権を有する者とこれらの土地の買い入れに関する契約の締結(農用地について利用権設定等促進事業を活用する場合にあっては、当該農用地に係る農用地利用集積計画についての法第18条第3項第3号の同意をいう。以下同じ。)を行うものとする。

3 農用地について利用権設定等促進事業を活用せずに買い入れを行う場合には、農地法(昭和27年法律第229号。以下同じ。)第3条第1項第7号の3の規定に基づき、当該農用地の存する区域を地区とする農業委員会に届け出るものとする。

(農用地の借り受け)

第7条 本事業における農用地の借り受けは、飯南町基本構想の実現、農業経営基盤の強化に資すると見込まれるものに限り行うものとする。

2 農用地の賃貸借による借り受けは、利用権設定等促進事業を活用する場合にあってはその賃貸借の存続期間を原則として3年以上とし、利用権設定等促進事業を活用しない場合にあっては、その賃貸借の存続期間を10年以上として行うものとする。

3 農用地を借り受けようとする場合には、当該農用地について実地調査等を行い、借り受けることを相当と認めたときは、別に定める様式により当該農用地の所有権を有する者と当該農用地の賃貸借に関する契約の締結を行うものとする。

4 農用地の借り受けに係る賃貸借契約においては、借り受けに係る農用地を本事業実施主体が定める者に転貸することについて賃貸人が承諾している旨の定めをするものとする。

5 次に掲げる事由が生じたときは、特約がある場合を除き、遅滞なく当該農用地の賃貸人と協議のうえ、処理するものとする。

(1) 借入農用地について多額の必要経費又は有益費を支出しようとするとき。

(2) 借入農用地の転借人が多額の必要経費又は有益費を支出することを承認しようとするとき。

(農用地の貸付)

第8条 本事業実施主体が第7条により借り受けた農用地は、第4条に規定する特定法人に貸付を行うものとし、別に定める様式によりその者と当該農用地の賃貸借に関する契約の締結を行うものとする。

2 貸付の期間は、利用権設定等促進事業を活用する場合にあっては本事業を円滑に実施するうえで必要な期間の定期賃貸借とし、利用権設定等促進事業を活用しない場合にあっては10年以上の定期賃貸借とするものとする。

3 農用地の貸付に係る賃貸借契約においては、民法(明治29年法律第89号)第618条の規定による解約権の留保は付さないものとする。

(借賃及び貸賃)

第9条 農用地を賃貸借により借り受ける場合における借賃及び貸し付ける場合における貸賃は、次のとおりとするものとする。

(1) 農地については、標準小作料を十分考慮し、当該農地の生産条件等を勘案して算定した額

(2) 採草放牧地については、その採草放牧地の近傍の採草放牧地の借賃及び貸賃の額に比準して算定し、近傍の借賃又は貸賃がないときは、その採草放牧地の近傍の農地について算定される借賃又は貸賃の額を基準とし、当該採草放牧地の生産力、固定資産税評価額等を勘案した額

2 前項の規定にかかわらず、本事業の実施主体が借り受けた農用地につき、土地改良事業が行われた場合には、貸賃の額は、前項の規定による借賃の額に本事業の実施主体が負担した当該事業に要した経費のうち別に定める額を加えた額とする。

(賃貸借又は使用貸借を解除後の措置)

第10条 特定法人が協定に違反し、賃貸借又は使用貸借を解除した後に、その農用地について別の者が借り受けを希望した場合には、新たに貸付を行うことができるものとする。

(その他)

第11条 この告示に定めるもののほか、特定法人貸付事業に関し必要な事項は、町長が別に定めるものとする。

この告示は、平成19年3月15日から施行する。

特定法人貸付事業実施要綱

平成19年3月15日 告示第7号

(平成19年3月15日施行)