○飯南町男女共同参画推進条例

平成30年6月15日

条例第17号

個人の尊重と法の下の平等は、日本国憲法にうたわれており、男女は、全て人として平等であって、個人として尊重されなければならない。男女平等の実現に向けた取組は国際社会の取組とも連動し、急速に進められてきた。

飯南町においても、こうした国際社会や国、県の動きとともに、男女共同参画の取組を総合的、かつ、計画的に推進し、その結果、男女共同参画社会への理解は少しずつ浸透してきたが、性別による固定的な役割分担意識や習慣、しきたりは、依然として根強く残っており、男女の平等が充分に実現されていない状況にある。また、国においては女性の職業生活における活躍を迅速、かつ、重点的に推進するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)を施行し、女性の社会進出が一層求められている状況にある。

このような状況を踏まえ、飯南町における男女共同参画の実現は、行政だけでの取組だけでなしえるものではなく、町民、事業者が協力、連携して取組むことが重要である。

よって、飯南町は、男女共同参画社会の実現を目指すことを決意し、町、町民、事業者が共通理解の下、相互に連携協力してその取組を推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、町の施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画を総合的、かつ、計画的に推進し、男女共同参画社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が平等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 事業者 町内において、営利、非営利、個人、法人を問わず事業を営んでいるものをいう。

(3) 積極的改善措置 社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(4) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手方に不快を与え、その者の生活環境を害すること又は性的な言動に対する相手方の対応によりその者に不利益を与えることをいう。

(5) ドメスティック・バイオレンス 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)に対して身体的又は精神的な苦痛を与える暴力その他心身に有害な影響を及ぼす者をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる基本理念に基づき推進されなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられ、性別による差別的扱いを受けることなく、個人としての能力を発揮する機会が確保されるなど男女の人権が尊重されること。

(2) 男女が性別による固定的な役割分担の意識を強制されることなく、それぞれ個人として多様な生き方を選択することができるように配慮すること。

(3) 男女が社会の対等な構成員として、町における政策、事業者における方針など様々な分野での企画、立案及び決定に、それぞれ能力・適正に応じて参画する機会が確保されること。

(4) 男女が家族及び社会における責任を共に担うことによって、家事、育児、介護その他あらゆる場における活動に、対等・平等な立場で参画し、責任を分かち合うこと。

(5) 男女共同参画の推進が、国際社会の取組と密接に関係していることを考慮し、国際協調のもとに行われること。

(町の責務)

第4条 町は、前条の基本理念に則り、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、実施するものとする。

2 町は、男女共同参画の推進を総合的、かつ、計画的に推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

3 町は、男女共同参画施策の策定及び実施に当たり、必要に応じ、積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。

4 町は、男女共同参画の推進に当たり、国、県、町民及び事業者と相互に連携し、協力して実施するよう努めるものとする。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念に則り、家庭、地域、職場、学校その他のあらゆる分野において、男女共同参画施策の推進に協力するよう努めるものとする。

2 町民は、基本理念についての理解を深め、男女の性別による固定的役割分担意識に基づく制度や慣行を見直すよう努めるものとする。

3 町民は、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は基本理念に則り、事業活動に当たり男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 事業者は、男女が職場における活動に対等に参画する機会の確保に努めるとともに、職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立して行うことができる職場環境を整備するよう努めなければならない。

3 事業者は、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(性別による権利侵害の禁止)

第7条 何人も、社会のあらゆる場において、次に掲げる男女共同参画の推進を阻害する行為を行ってはならない。

(1) 性別による差別的扱い

(2) セクシュアル・ハラスメント

(3) ドメスティック・バイオレンスその他性別に起因する暴力的行為

(被害者等への支援)

第8条 町は、配偶者等からのセクシャル・ハラスメント及びドメスティック・バイオレンスの被害を受けた者等に対し、関係機関と連携し、必要な支援に努めるものとする。

(公衆に表示する情報に関する配慮)

第9条 何人も、情報を公衆に表示するに当たっては、第7条各号に掲げる行為を助長させ、又は連想させる表現及び過度の性的な表現を用いないよう配慮に努めなければならない。

(男女共同参画計画)

第10条 町は、男女共同参画計画社会基本法(平成11年法律第78号)第14条第3項の規定に基づき、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を策定するものとする。

2 町は、前項の男女共同参画計画の策定に当たっては、広く町民の意見を反映できるよう努めなければならない。

3 町は、男女共同参画計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

4 前2項の規定は、男女共同参画を変更する場合に準用する。この場合において、「男女共同参画計画の策定」とあるのは「男女共同参画計画の変更」と読み替えるものとする。

(広報活動等)

第11条 町は、基本理念に関する町民及び事業者の理解を深めるため、広報活動その他の適切な措置を講ずるものとする。

(推進体制の整備)

第12条 町は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施するために必要な体制を整備するよう努めるものとする。

(苦情への対応)

第13条 町長は、町が実施する施策に関する男女共同参画についての町民及び事業者から苦情の申出を受けた場合には、適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 町長は、前項の規定に基づく処理に当たっては、関係機関の意見を聴くものとする。

3 町長は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画を阻害する行為についての町民又は事業者からの相談に対し、関係機関と連携して適切に処理するよう努めるものとする。

(調査研究)

第14条 町は、男女共同参画施策を推進するため、必要な調査研究を行うものとする。

(報告)

第15条 町は、施策の総合的な推進に資するため、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況をとりまとめ、公表するものとする。

(委任)

第16条 この条例に定めるもののほか、男女共同参画の推進に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

飯南町男女共同参画推進条例

平成30年6月15日 条例第17号

(平成30年6月15日施行)