○飯南町監査基準
令和2年3月2日
監査委員告示第1号
目次
第1章 一般基準(第1条―第5条)
第2章 実施基準(第6条―第8条)
第3章 監査等の種類(第9条―第11条)
第4章 監査等の実施(第12条―第17条)
第5章 監査結果の報告等(第18条―第23条)
附則
第1章 一般基準
(目的)
第1条 この基準は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号。以下「公企法」という。)並びに地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号。以下「健全化法」という。)の規定に基づいて監査委員が行う監査、検査及び審査(以下「監査等」という。)の実施に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(基本方針)
第2条 監査委員は、公正で合理的かつ能率的な町の行政運営確保のため、違法、不当の指摘にとどまらず、指導に重点を置いて監査等を実施し、もって町行財政の適法性、効率性、有用性の増進に努めるものとする。
(監査委員の使命)
第3条 監査委員は、法令に定められた権限に基づいて、町の財務に関する事務の執行及び町の経営に係る事業の管理又は町の事務の執行(以下「事務事業の執行」という。)について監査等を実施し、その結果に関する報告を決定し、これを議会及び町長等に提出し、公表することなどにより、民主的かつ効率的な行財政の執行に資し、もって住民の福祉の増進と地方自治の本旨の実現に寄与しなければならない。
(監査委員の責務)
第4条 監査委員は、町の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有し、その職務を遂行するに当たっては、常に公正不偏の態度を保持し、監査を実施しなければならない。
2 監査委員は、職務上知りえた秘密を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
3 監査委員は、適切な監査計画に基づいて、監査委員の事務を補助する職員(以下「事務補助職員」という。)に対し必要な指示をしなければならない。
(事務補助職員の心得)
第5条 事務補助職員は職務の遂行に当たっては、法令、例規(以下「法令等」という。)に精通するよう研修に努め、町政の現状に配慮して監査資料等の収集に努めなければならない。
2 事務補助職員は、監査等の実施に当たり知り得た秘密を他に漏らしてはならない。その職務を退いた後も同様とする。
第2章 実施基準
(実施の基本方針)
第6条 監査の実施に当たっては、事務事業の執行が法令及び議決並びに予算等に基づいて行われているかに留意し、積極的かつ指導的に実施しなければならない。
2 監査等は、年間監査計画を策定するとともに、適切な実施計画を作成し、これに基づき効率的かつ効果的に実施しなければならない。
(監査等の実施方法)
第7条 監査等は監査等の種類、対象、目的、内部検査の信頼性の度合い等を勘案し、試査又は精査の手法を用いて行うものとする。
2 試査による場合は、監査等の対象からその一部を抽出して実施し、その結果から全体の正否又は適否を推定するものとする。
3 精査による場合は、監査等の対象全体にわたり精密に実施し、その正否又は適否を明らかにするものとする。
(合理的証拠等の確保)
第8条 監査等は、合理的な証拠と正確な論拠をもってその結果を確定するよう努めなければならない。
第3章 監査等の種類
(監査)
第9条 監査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 定期監査(法第199条第4項) 毎会計年度少なくとも1回以上期日を定めて、次の事項について行うもの
ア 町の財務に関する事務の執行が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
イ 町の経営に係る事業の管理が、合理的かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
ウ 必要に応じ、町の事務事業の執行に係る工事について、当該工事の設計、施工等が適正に行われているかどうか、また、建物などの維持管理が良好であるかどうかを主眼として実施するもの
(2) 随時監査(法第199条第5項) 必要があると認めるとき、定期監査に準じて実施するもの
(3) 行政監査(法第199条第2項) 必要があると認めるとき、町の事務又は事務事業の執行が、合理的かつ効率的に行われているかどうか、法令等の定めるところに従って適正に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(4) 財政援助団体等に対する監査(法第199条第7項) 財政援助を与えている団体、出資団体、信託の受託者及び公の施設の指定管理者に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき、当該財政援助等に係る出納その他の事務の執行が適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(5) 公金の収納又は支払い事務に関する監査(法第235条の2第2項又は公企法第27条の2第1項) 指定金融機関等に対し、必要があると認めるとき、又は町長の要求に基づき、公金の収納又は支払いの事務が、法令等の規定及び指定契約の約定のとおり行われているかどうかを主眼として実施するもの
(6) 住民の直接請求に基づく監査(法第75条) 請求に係る事務の執行について実施するもの
(7) 議会の要求に基づく監査(法第98条第2項) 要求に係る事務について実施するもの
(8) 町長の要求に基づく監査(法第199条第6項) 要求に係る事務の執行について実施するもの
(9) 住民監査請求に基づく監査(法第242条) 請求の内容について実施するもの
(10) 町長の要求に基づく職員の賠償責任に関する監査(法第243条の2第3項) 要求に係る事実の有無等について実施するもの
(検査)
第10条 例月出納検査(法第235条の2第1項) 会計管理者、公営企業管理者の保管する現金(歳計現金、歳入歳出外現金、一時借入金、基金に属する現金及び預かり金を含む。以下同じ。)の残高及び出納関係諸表の係数の正確性を検証するとともに、現金の出納事務が適正に行われているかについて実施する。ただし、重要又は異例と認める事項については、この限りでない。
(審査)
第11条 審査の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 決算審査(法第233条第2項又は公企法第30条第2項) 決算その他関係諸表等の係数の正確性を検証するとともに、予算の執行又は事業の経営が、適正かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(2) 基金の運用状況審査(法第241条第5項) 基金の運用状況を示す書類の係数の正確性を検証するとともに、基金の運用が、適切かつ効率的に行われているかどうかを主眼として実施するもの
(3) 普通会計の財政健全化審査(健全化法第3条第1項) 健全化判断比率並びにその算定の基礎となる事項を記載した書類を審査するもの
(4) 公営企業会計の経営健全化審査(健全化法第22条第1項) 資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類を審査するもの
第4章 監査等の実施
(監査計画の作成)
第12条 年間監査計画は、次の各号に掲げる事項について定める。
(1) 年間における実施予定の監査等の種類及び対象
(2) 監査等の対象別実施予定時期及び監査等実施担当課
(3) その他監査等の実施に関し必要と認める事項
2 実施計画は、監査等の種類別に次に掲げる事項について定める。
(1) 監査等の種類
(2) 監査等の対象事務等
(3) 監査等の対象期間
(4) 監査等の基本方針
(5) 監査等の実施場所及び日程
(6) 監査等の項目及び着眼点
(7) その他監査等の実施上必要と認める事項
(事前通知)
第13条 監査等を実施するに当たっては、特別の場合を除き町長に対し、監査等の種類、期日、場所等をあらかじめ通知する。
(監査資料請求等)
第14条 監査等を実施するに当たっては、あらかじめ項目及び様式を定めて監査等に必要な資料を提出させ、必要に応じて事務事業の概況について説明を求める。
(監査等の着眼点)
第15条 第12条第2項の規定に基づく実施計画において定める監査等の着眼点は全国町村監査委員協議会が定める標準町村監査基準の別項「監査等の着眼点」のうちから適宜選択するものとする。ただし、監査等の対象により必要に応じて、その都度着眼点を追加して定めるものとする。
(監査技術)
第17条 監査等の実施に当たっては、各監査対象の実態により照合、確認、質問、比較、分析、立会い、実査等の監査技術を用い、能率的かつ効果的な監査に努めるものとする。
第5章 監査結果の報告等
(報告書の提出及び公表)
第18条 監査又は検査を終了したときは、結果に関する報告を次により提出しなければならない。
(2) 第9条第6号については議会、町長等及び請求人の代表者
(4) 第9条第9号については請求人
(5) 第9条第10号については町長等
(意見書の提出)
第19条 決算審査及び基金の運用状況審査並びに財政健全化審査、経営健全化審査を終了したときには、審査意見書を町長に提出しなければならない。
2 職員の賠償責任に関する監査の結果において、町長から賠償責任の免除について意見を求められたときは、意見書を提出しなければならない。
(勧告)
第20条 住民監査請求に基づく監査の結果、請求に正当な理由があると認めるときは、議会又は町長等に期間を示し必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、これを請求人に通知し、かつ、公表しなければならない。
(報告等の決定)
第21条 報告等の決定のうち、次の各号に掲げるものは監査委員の合議による。
(2) 第11条に定める審査意見
(3) 住民監査請求に係る個別外部監査について請求に理由があるかどうかの決定及び勧告
(報告書等の記載事項)
第22条 監査報告書、検査報告書及び審査意見書には、おおむね次に掲げる事項を簡潔明瞭に記載する。
(1) 報告書、意見書の提出期日
(2) 監査等を実施した監査委員名
(3) 監査等の種類
ア 監査等の実施期間
イ 監査等の課名等
ウ 監査等の対象事項及び範囲
エ その他監査等の目的又は着眼点
(4) 監査等の結果
ア 監査等による事務の執行、事業の管理状況等についての意見
イ 指摘事項
ウ 助言、注意事項
(監査等の結果報告後の処置)
第23条 監査等の結果、指摘した事項又は表明した意見については、町長等から適時措置状況の報告を求めるものとする。
3 第9条第9号の住民監査請求に係る勧告に基づき、議会又は町長等から必要な措置を講じた旨の通知があったときは、これを請求人に通知し、かつ公表しなければならない。
4 公表の方法については、第18条第3項の規定を準用する。
附則
この訓令は、令和2年4月1日から施行する。