○飯南町空家等の適正管理に関する条例
平成30年3月20日
条例第1号
(目的)
第1条 この条例は、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第4条に基づき、当該対策についての所有者等の責務、町の責務及びその他必要な事項を定めることにより、安全な住環境の保全を図るとともに、空家等の活用を促進し、まちづくりに貢献する空家等対策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(1) 空家等 建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
(2) 管理不全な空家等 次に掲げるいずれかの状態にある空家等をいう。
ア そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
イ そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
ウ 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
エ 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
(3) 特定空家等 前号に定める管理不全な状態にある空家等で町長が認定したものをいう。
(4) 所有者等 町内に所在する建物その他の工作物を所有し、又は管理する者をいう。
(5) 町民等 町内に居住、滞在、通勤、又は通学する者をいう。
(所有者等の責務)
第3条 空家等の所有者等は、法第3条の規定により、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理を行わなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、法第4条の規定により、法第6条第1項に規定する空家等対策計画の作成及びこれに基づく空家等に関する対策の実施その他の空家等に関する必要な措置を適切に講ずるものとする。
(支援)
第5条 町は、空家等に関する対策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(町民等の役割)
第6条 町民等は、安全で良好な生活環境の確保を努めるとともに、町がこの条例に基づき実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(空家等対策計画)
第7条 町は、その区域内で空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、法第6条第1項の規定により、飯南町空家等対策計画(以下「計画」という。)を定めるものとする。
(協議会)
第8条 町長は、法第7条第1項の規定に基づき、飯南町空家等対策協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2 協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、飯南町空家等対策協議会設置要綱(平成29年飯南町告示第96号)で定める。
(実態調査)
第9条 町長は、法第9条の規定による立入調査等のほか、町の空家等対策の推進に関し必要な調査として、空家等の実態調査をすることができる。
2 前項の規定による実態調査を行う職員は、その身分を証する証票を携帯し、所有者等の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(所有者等による空家等の適切な管理の促進)
第11条 町は、法第12条の規定により、所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うものとする。
(空家等及び空家等の跡地の活用等)
第12条 町は、法第13条の規定により、空家等及び空家等の跡地(土地を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるものとする。
(情報提供)
第13条 町民等は、適正な管理が行われていない空家等があると認めるときは、その情報を町長に提供するものとする。
(空家等の所有者等に関する情報の利用等)
第14条 町長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関するものについては、法第10条第1項の規定により、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 町長は、法第10条第3項の規定により、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。
2 所有者等は、前項の規定に基づく調査が行われたときは、これに協力しなければならない。
4 町長は、前項の規定により職員又はその委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。
5 第3項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
6 第3項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
2 町長は、前項の規定により認定をしようとするときは、あらかじめ協議会の意見を聴くものとする。
(助言・指導)
第17条 町長は、法第14条第1項の規定により、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるよう助言又は指導をすることができる。
(勧告)
第18条 町長は、前条の規定による助言又は指導を受けた者が、その助言又は指導に係る措置を講じない場合において、当該特定空家等がなお管理不全な状態等にあると認めるときは、法第14条第2項の規定により当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の期限を定めて、管理不全な状態等を解消するために必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
2 町長は、前項の規定により勧告をしようとするときは、あらかじめ協議会の意見を聴くことができる。
(命令)
第19条 町長は、法第14条第2項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、同条第3項の規定により、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
2 町長は、法第14条第3項の規定による命令をする場合は、あらかじめ第8条第1項に規定する協議会の意見を聴くことができる。
3 町長は、法第14条第3項の措置を命じようとする場合においては、同条第4項の規定により、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
4 法第14条第4項の通知書の交付を受けた者は、同条第5項の規定により、その交付を受けた日から5日以内に、町長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
5 町長は、法第14条第5項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、同条第6項の規定により、同条第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
6 町長は、法第14条第6項の規定による意見の聴取を行う場合においては、同条第7項の規定により、同条第3項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、同条第6項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
7 法第14条第6項に規定する者は、同条第8項の規定により、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
(行政手続法の適用除外)
第20条 前条の規定による命令については、飯南町行政手続条例(平成17年飯南町条例第10号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は適用しない。
(公表)
第21条 町長は、法第14条第3項に規定する命令を受けた所有者等が、正当な理由なく命令に従わないときは、次の各号に掲げる事項を公表することができる。
(1) 当該命令に従わない所有者等の住所及び氏名(法人の場合にあっては、主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)
(2) 当該命令の対象となった空家等の所在地
(3) 当該命令の内容
(4) 前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項
2 町長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該公表の対象となる所有者等に対し、当該公表を行う旨及びその内容を通知するものとする。
(代執行)
第22条 町長は、第19条の規定による命令を受けた者が当該命令に従わない場合において、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより自ら当該空家等の所有者等のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を当該空家等の所有者等から徴収することができる。
2 前項の代執行責任者は、その身分を証する証票を携帯し、関係人の請求があるときは、これを掲示しなければならない。
3 法第14条第3項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて同条第1項の助言若しくは指導又は同条第2項の勧告が行われるべき者を確知することができないため同条第3項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、町長は、同条第10項の規定により、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合において、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、町長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
4 町長は、法第14条第9項及び第10項の規定による代執行を行う場合は、あらかじめ第8条に規定する協議会の意見を聴くものとする。
(公示)
第23条 町長は、法第14条第3項の規定による命令をした場合においては、同条第11項の規定により、標識の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
2 法第14条第11項の標識は、同条第12項の規定により、同条第3項の規定による命令に係る特定空家等に設置することができる。この場合において、当該特定空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
(緊急安全措置)
第24条 町長は、空家等の倒壊等による人命、身体又は財産に対する著しい危険が現に切迫していると認められるときは、当該危険を回避するために最小限度の措置を講ずることができる。
2 町長は、前項に規定する緊急安全措置を実施する場合は、あらかじめ所有者等の同意を得なければならない。ただし、所有者等を確知することができない場合は、この限りでない。
3 町長は、緊急安全措置を講じたときは、その費用を所有者等から徴収することができる。
(民事による解決)
第25条 この条例の規定は、危険な状態にある空家等の所有者等と当該空家等が危険な状態にあることにより害を被るおそれのある者との間で、民事による事態の解決を図ることを妨げない。
(関係機関との連携)
第26条 町長は、第1条の目的を達成するため必要があると認めるときは、当該空家等の存する区域を管轄する警察その他の関係機関に必要な協力を求めることができる。
(過料)
第27条 法第14条第3項の規定による町長の命令に違反した者は、法第16条第1項の規定により、50万円以下の過料に処する。
2 法第9条第2項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、法第16条第2項の規定により、20万円以下の過料に処する。
(委任)
第28条 この条例の施行に関して必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。