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令和6年第5回飯南町議会定例会行政報告
町長行政報告及び提案理由説明要旨
本日飯南町議会が開会し、町長が次のとおり行政報告を行いました。
町長行政報告及び提案理由説明要旨(令和6年第5回定例会) [PDFファイル/667KB]
本日、令和6年第5回飯南町議会定例会を招集いたしまして、開会の運びとなりましたことを、はじめにあたりまして厚くお礼申し上げます。
提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、諸般の事項についてご報告申し上げます。
【はじめに】
はじめに、7月から先月上旬にかけて、平和の祭典であるオリンピックが、また先月下旬から昨日までパラリンピックが、フランス・パリで開催されました。
大会期間中は、連日、日本人選手の活躍の様子がテレビから流れ、各国代表の選手が見せる笑顔やあふれ出る涙から、スポーツの本質を十分に楽しませていただくとともに、心に残る様々なドラマを体感させていただきました。
【知事要望】
次に、知事要望についてであります。
先月30日、議長にも同席いただき、丸山知事に対し、本町の実情や喫緊の課題についてお伝えし、本町の発展のため特に必要な支援について要望いたしました。
本年は、
(1)飯南病院の医療従事者等の確保
(2)ガソリンスタンドの維持に向けた財政支援
(3)高齢者福祉施設整備等への支援
(4)持続可能な農業を推進するための支援
以上の4項目を重点要望しております。
丸山知事からは、「飯南病院は、中山間地域のモデル的な事例として高く評価している。必要とされる人材を確保できるよう、関係者と共に取り組みたい」「ガソリンスタンドの維持に向けた財政支援については、様々な意見を聞いており、検討していきたい」「高齢者福祉施設整備等への支援ついては、必要な技術的支援や国への要望などを行っていきたい」「圃場整備については、国へ要望していきたい。農林水産部との意見交換も進めていただきたい」など、前向きな回答をいただいたところであります。
その詳細につきましては「広報いーなん」を通じてご報告いたします。
【物価高に対する国の支援対策】
次に、物価高に対する国の支援対策についてであります。
昨年末から、国による経済対策が順次進められていますが、その一環として先月から新たな給付を行っています。
具体的には「令和6年度に新たに個人住民税が『非課税』または『均等割のみ課税』となった世帯」に対し、1世帯当たり10万円を給付するもので、その世帯で扶養されている18歳以下の児童に対しては、さらに、1人当たり5万円を加算して給付を行っています。
また、6月から「定額減税」が実施されていますが、減税しきれない額を1万円単位で切り上げて給付する「調整給付金」の給付も進めています。
いずれの給付も、町が課税情報を確認できる方には、先月中旬に通知をしていますので、手続きがお済みでない方はお早めにお願いします。
それでは、総合振興計画の分野別の基本方針にもとづき、主要な施策について申し上げます。
1.自治・協働
最初に、自治・協働についてであります。
【町政座談会の開催】
はじめに、町政座談会の開催についてであります。
7月8日から31日にかけて、公民館単位の5地区に会場を設けて「町政座談会」を開催しました。
本年度は、「第2次総合振興計画の総括」と「教育環境基本計画の説明」、以上の2点を町から情報提供し、町民の皆様と意見交換させていただきました。
座談会においていただいたご意見やご提案につきましては、「広報い~なん」や「町ホームページ」に掲載しておりますが、町としてしっかりと受け止めた上で、今後の行政施策を進めるとともに、令和7年度からの第3次総合振興計画に反映させたいと考えております。
【まちづくり講演会・人材育成講座の開催】
次に、まちづくり講演会・人材育成講座の開催についてであります。
本町は、行政、事業者、住民などが「まちづくりの担い手」として活躍できるよう、人材育成を推進するため、まちづくり講演会や人材育成講座を開催しております。
本年度は、地域活性化包括連携協定を締結している株式会社AKOMEYA TOKYOから講師をお招きし、先月3日に飯南米を通じてまちの魅力を再確認するまちづくり講演会を開催しました。
また、先月22日には地域づくり交流会を開催し、町内で活躍されている「わっしょい!志々会」「来島ビジョン推進会議」「国道54号活性化アクションプラン推進協議会」の3団体に活動状況などを発表いただき、参加者全員でその活動内容を共有させていただいたところであります。
今月13日には「人材育成講座ヒトカラ~hitocolor~イイナン」を11月まで3回連続で開催いたします。
今後も、住民主体のまちづくりに取り組んでいくため、まちづくりへの住民参加を推進するとともに、活動の支援や担い手の育成を進めてまいります。
2.教育・文化・子育て
次に、教育・文化・子育てについてであります。
【教育環境基本計画の策定】
はじめに、教育環境基本計画の策定についてであります。
現在、教育委員会において教育環境基本計画の策定を進めていますが、策定にあたっては、
(1)基本方針の答申内容を尊重すること
(2)飯南町総合振興計画など各種計画との整合性を図ること
(3)住民や子どもたちの意見をよく聞くこと
この3点に留意しながら策定作業を進めています。
7月には、教育長が基本方針の答申内容について中学校の生徒に説明し、要約学習(まとめ学習)により、生徒たちがお互いの考え方を意見交換しました。
特に、小学校の存続のためには学校施設の安全性が重要であることから、志々小学校の耐震調査業務を実施中であり、また中学校の再編を検討するには、生徒の通学時間を考慮する必要があることからスクールバス運行調査業務を実施しており、この調査結果を受けて具体的な再編計画を策定していきます。
今後、関係の皆様にその都度、計画策定の状況を報告しながら、本町にふさわしい教育環境の方向性を定めてまいります。
【二十歳のつどい】
次に、「二十歳のつどい」についてであります。
先月15日、「令和6年度飯南町二十歳のつどい」を開催しました。
当日は、17名の若者が出席し、式典終了後には恩師からのメッセージやお楽しみイベントで大いに盛り上がり、出席者は久々に会う友人や恩師との再会を喜び、近況を話し合うなど楽しいひと時を過ごしていました。
このように、勉学に励む学生や既に社会人として頑張っている若者たちの門出を祝福することで、ふるさと飯南町への想いを感じていただけたものと思います。
【飯南高校生の活躍】
次に、飯南高校生の活躍についてであります。
夏の高校野球島根大会において、飯南高校野球部が、次々と強豪校に競り勝って見事ベスト4進出を果たしました。厳しい試合展開になっても最後まで決してあきらめない、飯南高校らしい粘り強い試合展開に、会場を埋め尽くした多くの方々から惜しみない声援が送られました。
また、7月には広島県安芸高田市で開催された「第13回高校生の神楽甲子園」において、「飯南高校・生命地域ラボ・神楽愛好会」が、見事に最優秀となる「日藝選奨」の栄光に輝きました。これは昨年の大会に続く2連覇となる快挙となりました。この神楽愛好会の大活躍は、飯南高校のさらなる魅力につながるものと期待しております。
そして、報道部では、山中麻菜美さんが島根県予選で優秀賞を受賞され、第71回NHK杯全国放送コンテスト「アナウンス部門」に出場されました。
こうした高校生の活躍は、本町としても誇らしい出来事であり、学校関係者のみならず、すべての住民に元気を与えてくれています。
【児童手当制度の改正】
次に、児童手当制度の改正についてであります。
昨年12月に閣議決定された「こども未来戦略」に基づき、来月から児童手当制度が拡充されます。
主な改正点としては、これまで、中学生修了前までの児童が対象であった支給期間が「18歳までの高校生年代」に延長され、第3子以降は手当月額が3万円となります。
また、支給に際して設定されていました所得上限が撤廃され、これまで4カ月に1回の支給が、本年12月からは2カ月に1回の支給となります。
制度改正に伴うシステム改修が必要なことから、本定例会の補正予算に所要額を計上しております。
3.産業
次に、産業についてであります。
【飯南米の普及啓発】
はじめに、飯南米の普及啓発についてであります。
国内における本年度の主食用米は、昨年の猛暑の影響で市場に出回る量が減った一方、訪問外国人の増加による外食需要などで消費が増え、民間の在庫量が減少したことから、新米が出回るまでの間、全国的に、県内・町内でも品薄の状態が続いていました。
こうした中、先般、令和6年産米のJA概算買取価格が公表されました。本町の主な買取価格(仮払金)は、「1等特別栽培コシヒカリ」で9,200円/袋、「慣行栽培コシヒカリ」で8,900円/袋、「低タンパクのCE特別栽培コシヒカリ」で9,550円/袋と、いずれも大幅な増額となりました。
民間在庫量の低下やインバウンド需要などを背景に3年連続での増額となり、農家の生産意欲につながると安堵していますが、資材の高騰など農業経営は依然として厳しい状況が続いております。
町としましては、良質米である飯南米が有利販売となり、その結果が米価に反映されるよう、引き続き関係機関と連携し、飯南米のPRに積極的に取り組んでまいります。
【農地を次世代に引き継ぐための地域計画】
次に、農地を次世代に引き継ぐための地域計画についてであります。
この地域計画は、地域の皆さんがこれまで守り、美味しいお米を作ってきた農地を、子や孫の世代に引き継いでいくためにも、将来誰がどのように農地を利用していくのか、その具体的な姿を描くため、地域の皆さんの話し合いで作る「将来の農地利用の姿を明確化した地域農業の設計図」であります。
志々地区については8月6日と8日、頓原地区は今月6日に話し合いを行っていただいており、来週に来島地区、10月初旬には赤名地区において話し合いの場を計画しております。
話し合いですぐに課題を解決はできませんが、この機会に、地域の皆さんで地域の農業の将来を真剣に話し合っていただくことで、これからも農地が適切かつ効率的に利用できるのではないかと考えております。
【園芸振興】
次に、園芸振興についてであります。
産地直売所における価格表示の2段バーコード発行機への切り替えに係る利用者負担軽減対策につきましては、雲南農業振興協議会を通じて支援を行うこととしていましたが、事業者の負担を軽減するため追加の支援を講じたいと考えており、本定例会の補正予算に所要額を計上しております。
2段バーコード発行機導入により、品目別売上情報がより詳細となり、次回の作付け計画への活用ができるほか、店舗から要望のある消費税インボイス制度、食品衛生法に規定する加工品の「栄養成分表示」などに対応していきます。
【有害鳥獣対策】
次に、有害鳥獣対策についてであります。
令和3年度以降休止しておりました、国の補助事業による防護柵の支援につきましては、地域の要望を伺った結果、多くの要望をいただいており、地域の実情に応えるため、本定例会の補正予算に所要額を計上しております。
人と野生生物の活動エリアを区分していくことで、イノシシ、シカなどの鳥獣被害の軽減に取り組んでまいります。
【商工業の振興】
次に、商工業の振興についてであります。
ガソリンスタンドの維持においては、地下タンクの改修や配送用ローリー車輌の更新などハード整備が重い負担となることから、昨年度、県で創設された補助制度や、同じく昨年度に創設した町の補助制度により支援を行っており、本年度も地下タンクの改修と配送用ローリーの更新が予定されています。
今後も重要な生活インフラである町内のガソリンスタンドの維持存続に向けた支援を行ってまいります。
【い~にゃんPAY】
次に、い~にゃんPAYについてであります。
電子地域通貨「い~にゃんPAY」の運用につきましては、昨年12月からスタートしていますが、7月16日から先月30日まで、1万円を上限にチャージすると、最大2,000ポイントが付与される「現金チャージ ポイント還元キャンペーン」が実施されました。
商工会から、最終日までに1,060件、840万円余りのチャージ利用があったと報告を受けており、年末に向けても利用の促進に繋がるキャンペーン企画を実施予定であり、キャッシュレスの定着と地域内消費の拡大を目指してまいります。
【観光の振興】
次に、観光の振興についてであります。
先月18日に中国地方最大級のヒルクライムレース、飯南ヒルクライム2024が、NPO法人サイクリストビューの主催により開催されました。美郷町大和地区をスタート地点とし、谷地区の県道邑南飯南線から町道赤名井戸谷線を経由し向谷をゴールとした延長約7.7km、高低差400mの急峻なコースを約130名のサイクリストが走破しました。
姉妹都市交流事業につきましては、先月に親子体験ツアーを実施しました。4家族13名の参加があり、FMいたみへの出演や、伊丹空港の見学など、普段の暮らしとは異なる魅力に触れる貴重な体験となりました。今後も姉妹都市協会を中心に、活発な交流が行われ、将来を担う子どもたちが広く見聞を深められることを期待しております。
また、来年度は伊丹市との姉妹都市協定締結45周年、大村市との友好交流都市協定締結10周年の節目となることから、記念行事を行う予定であります。
赤名観光りんご園につきましては、今月1日から開園し、親子連れなどで賑わっています。
今が旬の「つがる」をはじめ、10月頃からは「千秋(せんしゅう)」「新世界」「王林」「ふじ」など様々な品種が食べごろを迎えます。11月10日までの開園を予定していますので、多くの方にお越しいただき、飯南の秋の味覚を堪能していただければと思います。
【道の駅頓原周辺エリア整備計画の推進】
次に、道の駅頓原周辺エリア整備計画の推進についてであります。
道の駅頓原につきましては、令和4年度に「道の駅頓原周辺エリア整備計画策定委員会」を開催し、「周辺エリアの一体的な整備」に向け、整備計画を策定したところであります。
町としましては、1月にパブリックコメント(意見公募)を実施し、2月には町民意見交換会を開催するなど、整備計画に対する様々な意見を伺っており、周辺エリアの整備における今後進め方について、町の考えを整理いたしました。
レストランやまなみ、情報交流館などの施設が集積する「道の駅エリア」につきましては、町内施設に関する「宿泊施設の在り方」を検討しているところであり、その進捗状況に併せて検討を進めたいと考えております。
道の駅頓原に隣接している「頓原緑地公園及びその周辺エリア」につきましては、町内4カ所目となる「こども広場」の整備にあたり、今後も関係者と協議し、準備を進めていきます。
なお、この「こども広場」については、町内外の多くのお子様に喜んで利用いただけるよう整備したいと考えております。
4.保健・福祉
次に、保健・福祉についてであります。
【新型コロナウイルス感染症のワクチン接種】
はじめに、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種についてであります。
7月にワクチン接種について希望調査を行い、希望される方につきましては、先月下旬より接種券等を送付させていただき、飯南病院やかかりつけ医へご自身で予約していただくようお知らせをしているところであります。
町内での接種は飯南病院のみとしており、9月中にご予約をいただき、10月の1か月間を接種期間として実施します。
その後11月からはインフルエンザの接種期間と考えております。
【長寿のお祝い】
次に、長寿のお祝いについてであります。
本町にお住まいで、本年度に百歳を迎える方に、内閣総理大臣から「お祝い状と記念品」が届きましたので、敬老の日に合わせて伝達することとしております。
百歳を迎えられる方は、後谷アエ子さん、諏訪部邦子さん、藤原安世さん、難波清子さん、三上佳子さん、難波唯子さん、竹野ハツヱさん、石田シヅカさん、三島喜久惠さん、以上の9名であります。
対象となる皆様は、各種の福祉サービスを受けながら、お元気にお過ごしであり、心からお祝い申し上げますとともに、これからも健やかに日常生活を送っていただきたいと願うところであります。
なお、敬老会につきましては、本年度も皆様の健康と安全を第一に考え、開催しませんが、今月16日の敬老の日に、私から「お祝いのメッセージ」をケーブルテレビでお伝えさせていただきます。
【訪問介護事業の継続にかかる支援】
次に、訪問介護事業の継続にかかる支援についてであります。
介護報酬の改定で、訪問介護の基本報酬が4月より引き下げられましたが、サービス対象者が点在している中山間地域では移動に時間を要することから、現状でも厳しい経営状況にあり、今回の報酬改定から更に赤字が膨らむことが想定されます。6月定例会後、議会からも国へ訪問介護サービス基本報酬の見直しと訪問介護の特別地域加算の対象地域及び事業要件の見直しを求める意見書が提出されました。
町内で唯一訪問介護サービスを提供している社会福祉協議会へ改定による影響等状況についてヒアリングを行ったところ、「町内唯一の事業所であり社会福祉協議会の使命として事業継続を死守したいが、今後の事業継続へは大きな影響が想定される。また、これまでの制度改正による累積赤字もあることから状況を整理している」との旨を確認したところであります。
町としても町民の皆様が安心してサービスを受けられるよう、訪問介護事業の継続支援について検討してまいります。
【今後の高齢者福祉事業のあり方】
次に、今後の高齢者福祉事業のあり方についてであります。
持続可能な高齢者福祉事業を維持するため、町内で特別養護老人ホームを運営している2つの福祉法人、飯南町社会福祉協議会及び友愛会の理事会において、今後の運営や体制についての協議が始められたと聞いております。
また、町では、先月末に、高齢者福祉施設整備に向けての技術的助言及び財政支援について、県知事要望を行ったところであり、引き続き、両法人を含む関係機関と連携して向かうべき方向性の実現を目指してまいります。
【病院事業の運営】
次に、病院事業の運営についてであります。
昨年度の決算につきましては、入院収益、外来収益ともに患者数減少の影響により減収となりました。また、ワクチン接種委託料や病床確保補助金など新型コロナ関連の収入減少や電子カルテシステム更新などの設備投資による減価償却費などの増加により、減収減益の決算となりました。純損益は前年比6千5百万円余の減となり、6千8百万円余の赤字を計上することとなりました。
一方では、経常経費の削減や設備投資への有利な財源の充当、繰上償還による後年度負担の軽減などにも努めてきたところです。また、断続的に流行する新型コロナなどの感染症への対応を行う中でも、通常診療の維持や地域の関係者と連携した地域包括医療・ケアの安定的な提供に尽力してきたところであります。
町民の皆様には、住み慣れたこの地域で安心して生活していただけるよう、地域に必要な医療を持続的に提供するため、引き続き地域医療の確保に取り組んでまいります。
【飯南病院開設50周年記念行事の開催】
次に、飯南病院開設50周年記念行事の開催についてであります。
飯南病院は、昭和49年5月に「国民健康保険頓原町立頓原病院」として開設し、本年で50年を迎えることができました。この節目を迎えられましたのも、議会をはじめ町民の皆様のご支援とご理解によるものであり、心より感謝申し上げます。
町としましては、12月7日に開催する「飯南町地域ケアフォーラム2024」にあわせて、病院開設50周年記念行事を行う予定であります。
これまでの歴史を振り返りつつ、未来へ向け、地域の皆さんと考えていけるような催しにしていきたいと思います。
5.生活環境
次に、生活環境についてであります。
【雲南地区防衛協力会の設立】
はじめに、雲南地区防衛協力会の設立についてであります。
我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していく中、自衛隊は、最前線に立って国防の任務を遂行し、また、能登半島地震などの大規模災害での迅速な対応など、国民生活の安全、安心を確保する上で欠くことのできない役割を担っています。
このような状況の中、先月17日に「雲南地区防衛協力会」設立総会が雲南市内で開催され、島根県内で6番目となる防衛協力会が設立されました。
防衛協力会の設立により、同会が自衛隊と地域との交流のパイプ役となり、町民の皆様が自衛隊に対する理解を深め、防衛意識の高揚を図るとともに地域活性化につながるよう期待しております。
【地域防災力の向上】
次に、地域防災力の向上についてであります。
本年度の取組として、飯南町気象防災アドバイザーと連携し、近年の気象状況や備蓄品の備えなどの防災対策についての出前講座を行っています。これまでに、民生児童委員協議会や自治振興協議会、地域のサロンなど、6つの地域・団体で活用いただいているところです。
今後も多くの地域・団体で出前講座を活用していただき、一人ひとりが防災に対する理解を深めていただくとともに、地域・団体で災害時の対応について話し合うきっかけづくりとなるよう取り組んでまいります。
【消防操法大会】
次に、消防操法大会についてであります。
7月7日、松江市において第67回島根県消防操法大会が開催され、本町からは第8分団が小型ポンプの部に出場し、長期間にわたる練習の成果を十分に発揮し健闘されました。
出場された選手並びに団員の皆様に敬意を表しますとともに、団員をサポートしていただきましたご家族、職場の皆様に感謝申し上げます。
また、技術指導をいただきました飯南消防署をはじめ、競技会場で激励いただいた町議会、地元自治会など関係の皆様にあらためてお礼申し上げます。
【指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)】
次に、指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)についてであります。
気候変動適応法の改正により、暑さをしのげる場の確保として、冷房設備を備えるなど一定の要件を満たす施設を市町村が「クーリングシェルター」として指定することができるようになりました。
本町では、6月に役場本庁舎並びに基幹支所及び支所の計4施設を、また、8月には民間企業が管理する3つの施設をクーリングシェルターとして指定しました。
今月・来月の気温は、平年より高くなると予想されており、残暑が厳しくなると思われます。水分補給に心がけ、エアコンや扇風機を使用した涼しい場所やクーリングシェルターで過ごすなど、お気をつけてお過ごしいただきたいと思っております。
【大雨による災害】
次に、大雨による災害についてであります。
本年は、梅雨入り後の出水期において、近年多発する豪雨に見舞われることはありませんでしたが、6月下旬から7月上旬の大雨により、河川、農業用施設などに、県管理分も含め総額6千万円を超す被害が発生しました。
被災した箇所につきましては、補助事業に採択されるよう手続きを進め、早期復旧に努めてまいります。
【町道頓原長谷線道路改良】
次に、町道頓原長谷線道路改良についてであります。
この改良につきましては、5月から頓原農村環境改善センターみせん入り口付近の交差点改良工事に着手し、全面通行止めの規制をかけての工事を実施しておりましたが、先般工事が完了し今月11日から規制を解除できる運びとなりました。
規制につきましては、長期にわたり多大なるご不便をおかけいたしましたが、町民の皆様のご理解ご協力に対しまして感謝申し上げます。
なお、今月、頓原中学校下の法面工事等を発注し、完成に向け事業の進捗を図ってまいります。
【令和5年度一般会計決算】
次に、令和5年度一般会計決算についてであります。
国の経済対策による臨時的な措置が続いたことや災害復旧などの特別な事情により、地方交付税総額は過去最高となる43億1千6百万円余(対前年450万円増)の交付額となりました。
また、ふるさと納税についても、令和2年度に次ぐ1億8千4百万円余の寄附をいただきました。
こうしたことから、一般会計における歳入総額は92億1千8百万円余、歳出総額は90億7千4百万円余、歳入歳出差引額は、1億4千3百万円余となり、翌年度に繰越すべき財源を除き1億2千5百万円余の実質収支(黒字決算)となりました。
また、町債残高についても繰上償還の効果により、目標とする100億円以下となる98億8千7百万円余と大きく減少し、将来の公債費の負担増に備え減債基金(1億7千3百万円余)への積み立ても行っております。
今後も引き続き、町債の発行抑制と繰上償還を行い、健全な財政運営に努めてまいります。
【令和6年度一般会計補正予算】
次に、令和6年度一般会計補正予算についてであります。
一般会計の主な歳出につきましては、災害時の避難所となる頓原・赤名農村環境改善センターの照明LED化及び非常用発電設備など大規模改修に1億7千5百万円余、農作物鳥獣被害対策への支援として1千万円余、現在進めている頓原長谷線の整備事業に4百万円、河川維持事業として下三日市の自動堰装置修繕に3百万円余、将来の財政負担を軽減するための町債繰上償還に1億9千万円余など、総額3億8千8百万円余の増額補正としたところであります。
今回提案いたします議案等は、令和5年度飯南町各会計の決算認定1件、財政健全化法に基づく健全化判断比率等の報告案件1件、条例改正など議決を要する案件3件、令和6年度飯南町一般会計補正予算(第3号)など、予算関係7件であります。
【次期町長選にあたって】
次に、私事となりますが、一言申し述べさせていただきます。
私も令和3年1月30日に町長に就任し、残す任期も5カ月を切りました。
この間、第2次総合振興計画に掲げた「笑顔あふれるまち飯南町」の実現を目指して、公約としてきました
1.子どもたちの声が聞こえるまちづくり(少子化対策)
2.安心・安全なまちづくり
3.産業が元気なまちづくり
4.定住を進めるまちづくり
5.歴史・文化を感じるまちづくり
を重点的な政策として、議会並びに町民の皆様のご理解ご協力をいただき、職員と共に全力を尽くしてまいりました。
また、「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根をつくる」島根創生計画にも呼応し、県と連携したまちづくりを進めてまいりました。
飯南町となって20年が経過し、まちの一体感の醸成や融和を進めることはできましたが、人口減少や少子高齢化を抑制するには至っていません。
現在新年度からスタートする第3次総合振興計画を策定するにあたり、住民アンケートの中で、飯南町で住みやすいと感じる方(幸福度)は70%であり、目標とする80%には達していません。次の計画期間では、この割合が高められるよう新たな戦略をもって取り組まなければなりません。
人口が減っても、このまちで活き活きと暮らせる仕組みづくり、農村ならではの産業振興にしっかりと取り組み、活力あるまちとして持続させなければなりませんし、私に残された任期、全身全霊で職務に励んでまいります。
今回の定例会にあたり、今後の態度をはっきりする時期にもあると考え、私としては、これまでの任期中の町政運営を総括し、新たな決意をもって次期町長選挙に再び挑戦したいと考えております。
以上、ご報告申し上げましたが、提出案件の詳細につきましては、後ほど担当課長に説明させることといたします。
何とぞ慎重にご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。