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令和6年第7回飯南町議会定例会行政報告
町長行政報告及び提案理由説明要旨
本日飯南町議会が開会し、町長が次のとおり行政報告を行いました。
町長行政報告及び提案理由説明要旨(令和6年第7回定例会) [PDFファイル/671KB]
本日、令和6年第7回飯南町議会定例会を招集いたしまして、開会の運びとなりましたことを、はじめにあたりまして厚くお礼申し上げます。
提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、諸般の事項についてご報告申し上げます。
【はじめに】
はじめに、石破内閣の発足と新たな経済対策についてであります。
国政におきましては、先月11日に「第2次石破内閣」が発足したところであります。
この内閣において石破首相は「ルールを守り、日本と国民、地方、若者・女性の機会を守ることを柱に日本創生を実現する」として、
◆現実的な国益を踏まえた外交
◆防衛力の抜本的強化
◆賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現
◆地方創生
◆防災立国の構築
これらを重要施策に掲げ「全ての人に安心と安全をもたらす社会を実現する」と強調されています。
国内におきましては、人口減少、社会保障、防災・減災等、重要な課題が山積しております。本町のような中山間地域の自治体の声にもしっかりと耳を傾け、国政に活かしていただくよう期待いたします。
【町制20周年記念式典】
次に、町制20周年記念式典についてであります。
本町は、来月1日に合併20年を迎えることとなりました。これを記念して、2月15日に、町制施行20周年記念式典を挙行いたします。
当日は、これまで町政運営にご支援ご協力いただいた方々をお招きし、10周年以降のこの間を振り返るとともに、第2部の記念講演においては、本町出身者であり、東京都内を拠点に漫画家としてご活躍されている「ぽんとごたんだ」様をお迎えし、将来を担う高校生との対談も予定しています。
記念講演につきましては、どなたでも参加いただけますので、多くの町民の皆様にご来場いただきますようお願いいたします。
【飯南病院開設50周年記念式典】
次に、飯南病院開設50周年記念式典についてであります。
今月7日に記念式典を執り行い、当日は、日頃よりご支援をいただいている皆様をはじめ、姉妹病院である京丹後市立久美浜病院の赤木病院長などにもご臨席賜り、盛会のうちに無事終了することができました。
これもひとえに、関係の皆様の温かいご支援、ご理解があってのことと思っております。
これからも地域医療を守るべく、職員一同、努力を重ねてまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
【物価高に対する国の経済対策】
次に、物価高に対する国の経済対策についてであります。
物価高騰の影響が大きいと想定される非課税世帯に対し、1世帯当たり3万円の給付金を支給し、その世帯で扶養されている18歳以下の児童に対しては、さらに1人当たり2万円を加算して給付することが予定されています。
今回の給付につきましては、国からの通知が届き次第、速やかに実施できるよう、準備を進めてまいります。
また、その他、自治体の裁量で実施できる物価高騰対策事業につきましては、住民全体に行き渡る生活応援を柱とした事業を検討したいと考えております。
それでは、総合振興計画の分野別の基本方針にもとづき、主要な施策について申し上げます。
1.自治・協働
最初に、自治・協働についてであります。
【功労者表彰】
はじめに、様々な分野でご活躍いただいた方々の功労者表彰についてであります。
10月に更生保護制度75周年記念大会が東京都内で開催され、町区の石川隆さんが、更生保護の功績により「法務大臣表彰」を受賞されました。
また、敷波の木村康男さんが、人権擁護などの普及への功績により「法務大臣表彰」を受賞され、今月4日、本庁舎において松江地方法務局出雲支局長より伝達されました。
受賞されたお二方のこれまでのご功労にあらためて深く感謝申し上げるとともに、今後、より一層のご活躍をお祈り申し上げます。
【庄原市との自治体間交流に関する連携協定】
次に、庄原市との自治体間交流に関する連携協定についてであります。
広島県庄原市と本町は、10月17日に「庄原市・飯南町自治体間交流に関する連携協定」を締結いたしました。
庄原市とは、頓原宇山地区と庄原市高野町を結ぶ道を通り、古くから交流や物流などが行われてきた歴史があり、ワニ(サメ)などの日本海の海産物もこの道を通って高野町へ運ばれるなど、食文化においても深いつながりがあります。
また、近年では平成11年から、産業の振興等を図り地域の発展に資することを目的に「瑞穂・高野インターアクセス、新銀山街道整備促進期成同盟会」を設置し、広域連携を進めてまいりました。
連携協定の締結により、これまでの歴史や連携の取組を基本として、期成同盟会の取組も含めた両自治体の発展に向けて、さらなる交流を進めたいと考えております。
【第3次総合振興計画の策定】
次に、第3次総合振興計画の策定についてであります。
新たなまちづくりの指針となる第3次総合振興計画の策定に向けて、これまで様々な形で町民の皆様と意見交換をさせていただきました。
その内容を踏まえ、先月20日までパブリックコメントを1カ月間実施し、計画(案)を公開して広く意見を公募したところであります。
今後は、町議会のほか、町民の皆様からのご意見・ご提案を参考にしながら、令和7年度の予算に反映できるよう、成案としてまとめてまいります。
【人つなぎシンポジウムの開催】
次に、人つなぎシンポジウムの開催についてであります。
今月7日、飯南町国道54号活性化アクションプラン推進協議会による「人つなぎシンポジウム」が開催されました。
このシンポジウムは、同協議会が今年度をもって発展的に解散される予定であることから、協議会による取組の総括を踏まえて開催されたものであり、本町に対して提言書を提出いただきました。
同協議会の会長である島根大学教育学部の作野教授をはじめ、会員の皆様のこれまでの活動に敬意を表するとともに、提出いただいた提言書をしっかりと受け止め、今後のまちづくりに活かしてまいりたいと考えております。
2.教育・文化・子育て
次に、教育・文化・子育てについてであります。
【教育環境基本計画の策定】
はじめに、教育環境基本計画の策定についてであります。
計画の策定にあたり、老朽化が進む志々小学校の校舎の安全性を検証するために耐震診断業務を進めてきましたが、このたび診断結果が報告され、同校の校舎は「震度6強の地震が発生した場合、倒壊の可能性が高く補強が必要な建物である」と判定されました。
この判定結果を受けて、教育委員会では志々小学校の児童が安全な環境で学習できるよう、早急な対応が必要であると判断していることから、町としましては、来年4月から頓原小学校内に仮教室での学習の場を確保することで、応急的な対応を取りたいと考えております。
なお、この対応にあたっては、保護者の皆様や学校関係者、地域の皆様と十分な協議を行いながら、児童の学習環境の変化や通学などに配慮して進めなくてはならないと考えておりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
【国民スポーツ大会に関する会場視察】
次に、国民スポーツ大会に関する会場視察についてであります。
10月23日、公益社団法人日本ソフトボール協会、島根県国民スポーツ大会準備委員会など関係団体により、ソフトボール競技の開催に向けた会場視察が行われました。
当日は、少年男子の競技会場となる頓原町民野球場と練習会場の赤名山村広場を視察していただき、施設の状況、競技運営計画、宿泊輸送計画などを説明させていただきました。
日本ソフトボール協会からは、「全国規模の大会を運営できる環境にある」との講評をいただきました。
今後、グラウンドの土の一部入れ替えやトイレなどの施設整備、大会運営に必要な仮設工事について年次計画を策定し、計画的な施設整備を進めてまいります。
【飯南高校生の活躍】
次に、飯南高校生の活躍についてであります。
先月9日から10日にかけて開催された島根県高等学校新人ハンドボール大会において、飯南高校ハンドボール部が出場し、9年ぶりの優勝を果たしました。
また、同じく先月8日から9日に行われた島根県高文連自然科学部門研究発表会では、自然科学部が「展示発表の部」において上位8作品に与えられる優秀賞を受賞しました。
このように、日頃の成果を発揮し活躍する飯南高校生の姿は、本町としても誇らしく、すべての住民に元気を与えてくれており、今後も様々な分野で躍動する姿を見せていただきたいと思います。
【病児・病後児保育の環境整備】
次に、病児・病後児保育の環境整備についてであります。
子育て世代への支援として整備を検討していました病児・病後児保育施設につきましては、頓原町民プールの隣接地に施設を整備することとし、10月下旬から工事に着手しました。
運営方法の詳細につきましては、来年4月の開所に向けて、飯南病院をはじめ、関係機関と協議を重ねており、利用にあたっての周知を今後行っていきます。
仕事などの都合により、家庭でお子さんを看病することが難しい際に利用いただくなど、仕事と子育てを両立できる環境づくりの一助となるよう、準備を進めてまいります。
【滞在型地域交流拠点施設の整備】
次に、滞在型地域交流拠点施設の整備についてであります。
来島地内への整備を予定しております滞在型地域交流拠点施設につきましては、今月4日に入札を行い、実施予定事業者と仮契約書を締結したところであります。
速やかな事業着手に向けて準備を進めており、議会の議決を求めるための議案を、本定例会の会期中に提案させていただきたいと考えております。
3.産業
次に、産業についてであります。
【飯南米の普及啓発】
はじめに、飯南米の普及啓発についてであります。
本町における今年の米の品質につきましては、他と比較して高温障害やカメムシ被害による影響などが少なかったことや、農家の皆様の適切な管理もあって、先月末現在の一等米比率はコシヒカリで96.4%、もち米89.2%、酒米96.8%と良い状況となっています。
先月行われた、飯南町エコロジー米生産者推進大会では、全国のお米を取り扱っている「ライスブラザーズ株式会社」の中会長より、首都圏における飯南米の取扱店舗の紹介や、飯南米の評価についてご講演をいただき、首都圏の消費者に非常に高い評価をいただいていることを実感したところであります。
飯南米のブランド力強化・向上のためには、エコロジー米のような付加価値の高い米を一定量確保していく必要があります。
町としましては、農家の皆様がエコロジー米を作って良かったと思っていただけるよう、今年度は「みどり認定推進事業」により、みどり認定の取得を推奨しております。
この認定にあたっては、エコロジー米生産推進協議会の役員や、JA雲南地区本部のご協力のもと当初予定しておりました件数をはるかに上回る申請をいただきましたので、本定例会の補正予算に所要額を計上しております。
【サツマイモの産地化】
次に、サツマイモの産地化についてであります。
本町の農作物の中で作付けが拡大し、特産品として確立してきたサツマイモの産地化に向けて、「飯南町さつまいも生産者協議会」が県の産地創生事業を活用し、保管庫、調整庫の改修工事や選別機、洗浄機等の機械整備を行われ、今月2日に関係者に対し内覧会を開催されました。
今回の施設整備により、本町の気候や黒ぼく土壌など、自然環境の条件を最大限に活用したサツマイモを、更に糖度の高いさつまいもとして商品化することが可能になりました。
また、安定して出荷できる体制が整ったことから、町としましては、今後、農家所得の向上のため、さらなる産地化を進めてまいります。
【大しめなわ創作館の開館10周年】
次に、大しめなわ創作館の開館10周年についてであります。
飯南町大しめなわ創作館につきましては、平成27年度の開館から10周年を迎えたことから、本町と飯南町注連縄企業組合の共催により、10月に記念イベントを開催いたしました。
当館は、これまで約13万人の方にお越しいただいており、本町のしめ縄文化の伝承の場として、また観光誘客施設として、その役割を果たしてまいりました。
今後も、しめ縄の文化や歴史、技術を伝えていくための施設として活用するとともに、より多くの方に親しみを持っていただけるよう、施設の運営に努めてまいります。
【い~にゃんPAY】
次に、い~にゃんPAYについてであります。
飯南町商工会が主体となって運用いただいている電子地域通貨「い~にゃんPAY」につきましては、昨年12月からスタートし1年が経過しました。
これまで利用促進を図るため様々な取組が行われており、先月25日から30日まではポイント5倍キャンペーンが実施され、831件352万円余の利用実績があったと伺っております。
また、今月2日からは上限2万円をチャージすると4,000ポイントが付与される「現金チャージ ポイント還元キャンペーン」が実施されました。商工会からは、613件、1,020万円余のチャージ利用があり、好評により6日には限度額に到達し、キャンペーンを終了したと報告を受けております。
町としましては、キャッシュレス化の定着と地域内消費の拡大を目指していく上で、今後もい~にゃんPAYの利用促進に対し必要な支援を行ってまいります。
【琴引フォレストパークスキー場の営業開始】
次に、琴引フォレストパークスキー場の営業開始についてであります。
琴引フォレストパークスキー場につきましては、今月20日の営業開始に向けて、準備を進めています。
島根県の支援をいただき昨年度から行っていました2030年国民スポーツ大会に向けた育成拠点整備の大規模改修につきましても、今月に入って無事完了しました。
昨シーズンは雪不足により集客に苦慮しましたが、大規模改修により人工雪の雪質が向上することで、より快適にスキーやスノーボードを楽しんでいただける環境が整いましたので、多くの方々にご来場いただければと期待しております。
【観光宿泊施設の再編】
次に、観光宿泊施設の再編についてであります。
レストハウスやまなみ、琴引ビレッジ山荘、憩いの郷衣掛につきましては、施設のあり方・機能再編を検討しており、先月14日と15日に住民説明会を開催し、多くのご意見をお伺いしました。
町民の皆様や本町にお越しいただく皆様にとって有益な施設となるよう、更に検討を進め、方向性を定めたいと考えております。
【姉妹都市交流事業】
次に、姉妹都市交流事業についてであります。
9月29日、佐見の農事組合法人大安伸を中心に、伊丹市民を招いての稲刈り交流ツアーが開催され、19名の参加がありました。
先月24日と25日は、伊丹市内のイオンモール伊丹において本町と長崎県大村市の特産品市「姉妹都市なかよしマルシェ」が開催され、りんごジュースや舞茸、奥出雲蕎麦など本町の特産品をPRし販売することができました。
また、来月11日から13日には、長崎県大村市の小中学生を対象とした交流事業を予定しており、スキー体験や、伝統行事「とろへい」への参加、そば打ち体験、交流会などを計画しています。
この交流事業は、1年毎に子どもたちが本町と大村市を行き来しており、普段暮らす環境とは異なる土地の魅力に触れる貴重な体験機会となっており、今後も活発な交流が行われることを期待しております。
4.保健・福祉
次に、保健・福祉についてであります。
【マイナンバーカードの健康保険証利用】
はじめに、マイナンバーカードの健康保険証利用についてであります。
健康保険証につきましては、今月2日から現行の健康保険証は新規発行されなくなり、「マイナ保険証」としてマイナンバーカードを基本とする仕組みに移行されております。
本町におけるマイナ保険証の利用率につきましては、厚生労働省の10月時点での調査によれば、市町村国保においては41.3%で全国3位、後期高齢者医療においては53.9%で全国1位となっており、多くの方にマイナ保険証への移行にご理解いただき、ご利用いただいております。
引き続き、マイナ保険証を医療機関等で利用するメリットを周知しつつ、利用促進に努めてまいります。
【新型コロナウイルス感染症のワクチン接種】
次に、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種についてであります。
今年度からワクチンの定期接種の対象となった65歳以上の方につきましては、医療機関で予約による接種をお願いしています。
飯南病院では、10月を集中的実施期間として対応しており、ワクチン接種を希望された1,152名中、現在802名が接種されています。
今後のワクチン接種につきましては、来年3月末までは、飯南病院において個別対応でのワクチン接種を実施することとしています。
【地域ケアフォーラムの開催】
次に、地域ケアフォーラムの開催についてであります。
今月7日、京都府京丹後市から姉妹病院である久美浜病院と太陽福祉会の職員14名を迎え、「飯南町地域ケアフォーラム2024」を開催いたしました。
フォーラムでは、「歴史と未来」をテーマに、飯南病院開設50周年記念行事としてパネルディスカッションを行いましたが、これまでの軌跡を確認し、今後もこの地域に無くてはならない飯南病院の必要性を再認識するものでした。
今後も、こうしたフォーラムを通して、地域包括医療ケアの推進に向けて努めてまいります。
【訪問介護事業の継続にかかる支援】
次に、訪問介護事業の継続にかかる支援についてであります。
町内で唯一、訪問介護サービスを提供している飯南町社会福祉協議会におかれましては、これまでの制度改正による累積赤字に加え、4月からの介護報酬の引き下げにより、今後の運営に大きな影響があるため、10月に事業継続に対する財政支援の要望を受けました。
町としましては、現場と乖離した現在の制度を国の責任で見直していただきたいと考えていますが、このままでは、事業継続に支障をきたすと判断し、町民の皆様が安心してサービスを受けるため、同法人への支援が必要と考え、本定例会の補正予算に所要額を計上しております。
【今後の高齢者福祉事業のあり方】
次に、今後の高齢者福祉事業のあり方についてであります。
NPO法人あかぎ福祉会におかれましては、法人の後継者不足や資格職不足により、赤来地域で運営されていた認知症高齢者グループホーム「まんてんの家」の事業廃止を決定されました。長年にわたる介護福祉事業へのご尽力に、心から感謝申し上げます。
町内で必要な介護サービスが無くなることは住民の生活に大きな影響があることから、持続可能な高齢者福祉事業の再構築を急ぐ必要があります。
このような中、町内で特別養護老人ホームを運営されている飯南町社会福祉協議会及び友愛会の関係者による「介護事業統合協議会」が、先月14日に開催されました。
この協議会では、
◆両法人が運営するあかぎの里と愛寿園の2施設を統合すること
◆行政、両法人協力のもとで、本町に新たな特別養護老人ホームを建設すること
◆施設統合後の新たな施設の運営主体は社会福祉協議会とすること
以上の内容について、委員の議決が得られたと聞いております。
町としましても、両法人のこれまでのご尽力に感謝申し上げ、最期まで安心安全な暮らしができる飯南町を継続するために、福祉事業の再構築に両法人と連携して取り組んでまいります。
【病院事業の運営】
次に、病院事業の運営についてであります。
飯南病院における今年度上半期の患者数の状況は、昨年同期と比較し、外来部門は若干の減少となっておりますが、入院部門におきましては、4.7ポイント程度の増加となっております。しかしながら病床利用率では、9月末時点で63.13%であり、経営の目標とする70%の達成が厳しい状況となっております。
このことから、病床利用率の改善に向け、福祉施設や町外の医療機関との円滑な入退院調整などに取り組んでいます。
安定した診療体制が継続できるよう、医師及び看護師等の確保に努め、経営面とあわせ、引き続き安心で快適な医療サービスの提供に努めてまいります。
5.生活環境
次に、生活環境についてであります。
【移住・定住施策の推進】
はじめに、移住・定住施策の推進についてであります。
都市圏で開催される移住フェアにつきましては、今年度は東京都内のイベントに4回、大阪市内のイベントに5回参加しており、昨年度より回数を増やして移住相談や就農相談を実施しております。
八神地区に1棟整備予定であるセミオーダー式の定住促進賃貸住宅につきましては、来年3月の完成に向けて順調に建築工事が進んでおります。
住宅の完成後、速やかに入居いただくために、関係条例の改正を本定例会に提案しております。
飯南町定住支援センターにつきましては、今年度からNPO法人里山コミッションに業務委託しておりますが、柔軟に相談支援等に対応いただいており、引き続き連携を図りながら移住・定住施策を推進してまいります。
【道路標示の整備】
次に、道路標示の整備についてであります。
消えかかっている横断歩道などの道路標示につきましては、7月に雲南警察署長を通じて島根県公安委員会へ補修等の対応について要望活動を行っておりましたが、9月に島根県公安委員会により、町内6箇所の横断歩道及び1箇所の停止線の引き直しが実施されました。
また、県内の道路標示等を施工している雲南道路サービス株式会社により、社会貢献事業として町内の登校路を中心に7箇所の横断歩道の引き直しを実施いただきました。この取組に対し10月に感謝状を贈呈いたしました。
今後も通行者の安全確保のために、道路標示等の適正な維持管理を要望してまいります。
【公営住宅の整備】
次に、公営住宅の整備についてであります。
頓原地内に整備中の単身用住宅につきましては、年度内完了を目指し順調に建築が進められております。
この住宅につきましては、完成後速やかに入居いただけるよう、来月から入居者の募集を行うため、関係条例の改正を本定例会に提案しております。
【災害復旧】
次に、災害復旧についてであります。
7月に発生した大雨による災害については、農業用施設災害1件、河川災害2件の災害査定が終了し、全て国の補助金採択を受けることができました。
また、先月2日の大雨により農地災害1件、河川災害3件の災害が発生したことから、当該箇所の補助金採択に向けた設計業務を進めてまいります。
これらの災害復旧工事等につきましては、早期復旧に努めたいと考えており、本定例会の補正予算に所要額を計上しております。
【有機フッ素化合物の水道水調査について】
次に、有機フッ素化合物の水道水調査についてであります。
発がん性など健康への影響が懸念される有機フッ素化合物「PFAS」につきましては、昨年10月に岡山県内の自治体の水道水から高い濃度で検出されたため、全国的に調査を実施されている自治体が増加しています。
本町におきましては、9月から先月にかけて町内14箇所の浄水場の原水を調査した結果、全ての浄水場において国が示している目標値を大きく下回る結果となり、安心・安全な水道水が確保できていることが確認できました。
毎月実施している通常の水質検査項目を確認しながら、今後も安心してご利用いただける水道水の供給に努めてまいります。
【令和6年度一般会計補正予算】
次に、令和6年度一般会計補正予算についてであります。
一般会計の主な歳出につきましては、介護報酬改定の影響を受ける訪問介護事業支援金として3百万円、志々小学校児童の学習環境整備のための改修工事等に4百万円余、令和7年度中学校教科書改訂に伴う指導書等購入に5百万円余、大雨災害による農地及び農業用施設、河川の災害復旧事業に8千9百万円余、将来の財政負担軽減に向けた町債繰上償還に6千7百万円余など、総額1億9千1百万円の増額補正としたところであります。
今回提案いたします議案は、条例改正案2件、令和6年度飯南町一般会計補正予算(第7号)など、予算案5件であります。
次に、本定例会は私にとって今期最後の定例会であり、私事となりますが、ご挨拶させていただきます。
【節目の定例会を迎えるにあたって】
私は、令和3年1月30日に町長に就任し、この間議会並びに町民の皆様のご指導とご協力をいただき、「笑顔あふれるまち飯南町」の実現と住民福祉の向上を目指し、職員とともに全力を尽くしてまいりました。
任期中の前半はコロナ対策、災害対応などに追われましたが、町民の皆様のご理解とご協力があって幾多の困難な状況を乗り越えることができました。
また、これまで継続して重点的に取り組んできた定住対策や子育て支援なども更に拡充して行い、各分野で一定の成果を上げることができましたが、人口減少や少子化を止めることはできませんでした。
このことから、社会情勢の変化などに的確に対応しながら、本町が置かれている現状や抱える課題の解決に、しっかりと取り組まなければならないと感じております。
こうした現状を鑑み、9月の定例会において2期目への挑戦に向けた表明をさせていただいたところであり、私がこれまで培ってきた力の全てをもって、町政運営の先頭に立ち、進んでまいりたいと新たな決意をしたところであります。
本日、節目の定例会を迎えるにあたり、議員各位並びに町民の皆様へ、これまで賜りましたご支援に対し、衷心よりお礼申し上げます。誠にありがとうございました。
以上、ご報告申し上げましたが、提出案件の詳細につきましては、後ほど担当課長に説明させることといたします。
何とぞ慎重にご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。