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展示品紹介(長ぐつ)

ページID:0005381 更新日:2022年10月1日更新 印刷ページ表示

展示品紹介

長ぐつ

 防寒・防雪用具として全国的に見られる「雪ぐつ」ですが、中国地方のものは、東北地方に多く見られる短靴形式のものがほとんどなく、半長靴・長靴形式のものが多いといわれています。降る雪の湿度が高く、気温もそれほど低くならないことがその理由と考えられています。東北地方などではいったん雪踏みがされると次の大雪まで硬雪となって、近所の歩行には短靴形式のものが便利とされました。

雪ぐつ(No.112)

 雪ぐつ(No.112)

高さ35cm・足長25cm・幅11cm
材料はワラで、島根県邑南町(旧瑞穂町)で昭和29年に製作されたもの。

夜なべ仕事に二晩で作ることができれば上手といわれた。

 

雪ぐつ(No.114)

 雪ぐつ(No.114)

高さ32cm・足長17cm・幅9cm
材料はワラで飯南町頓原で明治40年に製作されたもの。

足の先が割れている「ツマワレツマゴ型」の雪ぐつ。中国山地に多く見られ、東日本には少ない。

 

雪ぐつ(No.111)

 雪ぐつ(No.111)

高さ50cm・足長30cm・幅14cm
材料はワラ、麻で江戸時代に飯南町頓原で製作されたもの。

大雪を踏んで、道を開けるための雪ぐつ。内部にある鼻緒状のものに足の指を掛け、脚の膝辺りまで達する雪ぐつの上部に紐をつけ、手で上下させながら歩く。大雪の朝、子どもが学校へ通うために、村の人々は道踏みをした。自宅から次の民家までが各々の家の担当だった。

履物の思い出

 世の中の移り変わりと共に身につける物も随分変わりました。

 ここでは、はき物について思いを書いてみたいと思います。

 私の学校時代は、大正の一桁から二桁にかけてで、冬には手織りの木綿縞の着物を着て、上に袖なしを着て、頭から赤げっとうをかぶり、首を手ぬぐいで結んで雪道を学校へ通いました。

 学校へ着くと昇降口には大きな炉に炭火が真っ赤におこっています。その周りで冷たくなった手足を暖め、そして、ぬれてコチコチになったつまごわらじを、炉の周りにずらっと並べて干しておきますと帰るときには乾いておりました。

 お金持ちの家の子どもさんはタングツ(ゴム)を履いて来られ、ほしくてほしくて、幾年か後に買ってもらった時の嬉しかったことを覚えております。

那須 カツミ
(『ひこばえ』1984 より抜粋)