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その他文化財(4)

ページID:0006103 更新日:2023年1月17日更新 印刷ページ表示

その他文化財

赤名湿地性植物群落

 赤名湿地性植物群落は飯南町下赤名福田に位置し、長尾池を中心とした湿地に県下最大のハンノキ森をはじめ貴重な植物が生育しています。
 沼沢に発達したハンノキ林の周辺には寒地性の残存植物であるミツガシワ・リュウキンカ・ドクゼリ・ミズオトギリなども自生しています。特に大群落を形成するミツガシワは自生地の最西限といわれ赤名湿地を代表する植物です。

 長尾池とその周辺では、ヒツジグサ・ミツガシワ・ノハナショウブ・ハンカイソウ・サワギキョウなどが四季折々の花を咲かせ私たちを楽しませてくれます。
 湿地の入り口近くに広がる開放湿地には、各地の湿地で絶滅しつつある美しいラン科の植物であるサギソウ・トキソウ・ミズチドリ・カキランが自生し、体長15mmほどで、幻のトンボともいわれるハッチョウトンボを見ることができます。

 また近くには「モリアオガエルの棲む池と山野草の森」があり、この一帯は貴重な自然の宝庫となっています。
 赤名湿地性植物群落は1977年に島根県環境保全地域に指定(指定第1号)されています。指定範囲およそ30ヘクタールの内、特別地区の8ヘクタールには観察歩道が設置されていて一時間ほどで、ゆっくり湿地内を散策することができます。飯南町森の案内人によるガイドも好評で、たくさんの人が訪れています。

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   長尾池        ミツガシワ       リュウキンカ   ハンノキに囲まれた遊歩道

長者原(ちょうじゃばら)古墳

 長者原古墳は飯南町下赤名中通の県道邑南・飯南線沿いに所在し、「駒競古墳」とも「京楽古墳」とも呼ばれています。一辺18メートルのきれいな正方形の方墳で、古墳の墳丘には2段の平坦面が造られているのが現在でも確認できます。

 内部の構造や副葬品は確認されておらず、詳しいことは不明ですが古墳の形から古墳時代終わり頃(7世紀)に造られたものと考えられています。

 昭和51年に町の指定文化財に指定されています。
 明治14年の記録によると、この古墳の周辺には一辺3メートルの方墳が3基あったとされていますが、現在では原形をとどめておらずはっきりと確認することはできません。

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下来島のボダイジュ

 山沿いにひときわ大きく枝葉を茂らせた大木が目をひきます、樹高およそ25メートル、幹まわり5.5メートル、樹齢200年以上といわれる下来島のマンシュウボダイジュです。
 天然自生のマンシュウボダイジュがこれほど巨木になるのはたいへん珍しく、昭和39年に島根県の天然記念物に指定されています。
ボダイジュの周辺は西蓮坊の旧寺地とされ、同寺所蔵の「法霊山西蓮坊略縁起」(天明7年)には「太さ一丈七尺廻りの菩提樹あり」と記されています。

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賀田(かだ)城址

 賀田城は飯南町下来島にある通称「松本山」(標高494m)に築かれた中世の山城です。
 『赤穴家系図』によると1346年(正平1)に石見地方の国人領主であった佐波実連の弟、秀清が「都賀高巻城に篭城して利あらず、後、下来島高名和城の篭る」
 また、同書に
「左馬助幸季(赤穴美作守幸清の弟)、下来島、八神、志津見、波多の四村を領す。下来島高名和城に居し、後、越後守と号す」
とあります。

 築城にかかわった人物や年代は不明ですが南北朝時代にはすでに存在し、後に赤穴氏が入り瀬戸山城(赤穴氏の本城)の支城的な役割を果たしたことが伺われます。
 1560年(永禄3)には毛利軍への降伏を決めた城主に対し徹底抗戦を主張し、下城して戦った烏田勝定・森田勝経の軍がたてこもった城としても知られています。また、関ヶ原の戦い後の堀尾氏の出雲国入封に際しては彼らの手によって改修が行われたことが、城の構造などから指摘されています。

 現在、本丸跡へは登山道が整備され、およそ30分で行くことができます。山頂付近には当時の堀切・土塁・連続竪堀群など山城の構造が良い状態で残されています。特に第7郭と第8郭はそれぞれ単独の防御拠点でありながら、連携した防御構造ともなっており、この特殊な構造は県内の城に類例がなく、大変貴重であるといえます。
 また城跡の南西側山麓には五輪塔が三基残っていて、賀田城との関係が指摘されています。

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      賀田城址遠景           賀田城址五輪塔    要害平(2郭)からの眺望

祝原の桜

 飯南町下来島川尻、神戸川が来島ダムに注ぐところにあるエドヒガン桜です。
 高さおよそ15メートル、幹周りおよそ5メートル、樹齢300年~400年といわれる県内屈指の銘木です。春には大きく広げた枝にたくさんの花をつけ、まさに孤高で壮大といった姿を見せてくれます。見ごろは4月中旬で、開花時には地域の方々によって夜間のライトアップの演出がなされます。

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       祝原の桜              傍らにたたずむ馬頭観音